Johnny PandoraによるACE CAFE LONDON公演レポート!

ACE CAFE LONDONからスタートしたJOHNNY PANDORAヨーロッパ&アジアツアー。
海外でのステージを終え、帰国早々に国内のスケジュールをこなし、今週末の「HAMANO ROCK Fes.」がツアーファイナルとなります。

そんなJOHNNY PANDORAのギタリストであり、自称「ACE CAFEオタク」のリョウヘイから、体験記が届きました。
雑誌などでは語られない、ディープな内容が多く、Googleさんに助けてもらいながらじゃないと、理解がむずかしい箇所も有りますが・・・
とにかくACE CAFEやUKロックシーンへの思いが熱い!
ぜひ、ご一読ください。

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こんにちは、我らJohnny Pandora
ヨーロッパ&アジアツアー第1弾は、ACE CAFE LONDONでの公演!
ここに、我々が体験した一日を寄稿します!

 

1. まずは我々が公演したACE CAFEについて

ACE CAFEは、1938年に創業。
ロンドンの北西、Stone Bridge Parkに位置し、その昔”Rockers”が昼夜問わずレースを繰り広げた環状線、”North Circular Road”沿いに立地していることで知られています。
ACE CAFE がRockersの集うカフェとして名が広まった背景として、24時間営業であったことや、舗装整備されたNorth Circular Roadに面していること。
流行りのRock’n’Rollが店内のジュークボックスで聞けたり、お腹が空けばポケットの小銭でドリンクが飲めたり、フードも食べられたことから、同じ年代の若者たちが集える場所として最高のロケーションでした。

 

●ROCKERSが集っていたカフェと所在地

ROCKERS全盛期。
ACE CAFEの近隣には、彼らが集うカフェがいくつもありました。

既に閉店していますが、今でも語り継がれる『Dugout Cafe』や『Busy Bee Cafe』。
そして『ACE CAFE』。

下の道路標識は現在のものですが、マニアからみるとたまらない標識なんです!
なぜなら、上記の伝説的なカフェの所在地が3か所も表示されているからです!

例えば、ACE CAFEからNorth Circular Roadを使って【Watford A1 North】方面へ行けば『Busy Bee Cafe』へたどり着きます。
当時、レースにはいくつかのルートがあったようで、そのうちの一つとして、このルートが使われ、ACE CAFE ⇄『Busy Bee Cafe』間をレースしていたようです。

【Golders Green A598】方面へ向かえば『Dugout Cafe』へ。
【N.circular A406 West】方面へ向かえば『ACE CAFE』にたどり着きます。

さらに、ACE CAFEを起点に北上すれば、ぐるっと回って東ロンドン方面 (59club hackney) へ行けます。

ACE CAFEはどこからもアクセスが良く、すぐ目の前の通りは公道レースにうってつけな環状線だったと言えます。
(まるで環七通りみたいです。)


▲Golders Greenにあった、在りし日の頃のDugout Cafe、実は宿泊した宿の近所にありました。

 

2.現在のACE CAFE LONDON

現在では、平日、週末問わず様々なイベントが開催され、音楽系のイベントならロカビリーやブリティッシュロックンロール、車、バイク向けのイベントならカフェレーサーやホットロッド、ミニクーパー、はたまた日本車のイベントまで、多々開催されています。
ACE CAFEはROCKERSだけのカフェではなく、イベントを通して様々なカルチャーを迎え入れています。
但し、その芯だけは頑固なイギリス人のようにブレず、根本はROCKERSにあるようです。

もちろん、カフェとしての機能も充実しており、熱い紅茶やコーヒーの提供からフィッシュ&チップス、ハンバーガーまで食べることができます。
当日は、ライブに備えてManx Creamy Cheddar Cheese Burgerを頂きました。£6.7でおススメ!

 

3. Johnny Pandora、Stone Bridge Parkに到着する!

宿から地下鉄を乗り継いで降りた先はStone Bridge Park駅。
駅のホームから無骨な鉄階段を降り改札を抜けると、目の前にACE CAFE LONDONへ続くNorth Circular Roadという環状線が見える。
North Circular Roadは昔、RockersがACE CAFEから走り出し、誰が速いのかレースを繰り広げた道路で、その光景をイメージすると何度来ても手に汗を握ります。
そんなNorth Circular RoadをACE CAFEへ向かうには、Hanger lane方向へ歩きます。 そうするとすぐに見えるのが、ブレーキの製造メーカとして知られている”FERODO”の名が橋に記された有名な鉄道橋。
実はこの鉄道橋、ROCKERSがレースを繰り広げた際のゴールラインだったりします。 ただの古びた鉄道橋にも歴史あり!

そして、FERODOの鉄道橋を越えると、その先にACE CAFEが現れました。 タイヤ跡の残るアスファルト、マシンから流れ出たのであろうオイルの染み。夕日に照らされたACE CAFEの旗が、そよ風にはためいている。久しぶりのACE CAFEは、以前と全く変わらず我々を待っていてくれました。

機材を担ぎながらACE CAFEに辿り着いた矢先、待っていたのは拍手や歓声の嵐かと思えば、まさかのスマホやカメラでの撮影大会! フラッシュの大歓迎! 我々が物珍しいのでしょうか、あちこちで「一緒に撮ってくれ!」「写真を撮らせてくれ!」と引っ張りだこ。とっかえひっかえ、撮影の嵐に見舞われました!

そして現在のACE CAFEオーナー、Mark氏が登場!

 

数年ぶりの再会に懐かしさがこみ上げます。

 

Markさんとメンバーが1人ずつ、挨拶してる中でやはり撮影大会が勃発! そのような中、敷地をぐるりと見渡せば、その殆どがSS系のバイクとアメリカン系で埋め尽くされていました。

その中で、見覚えのある旧トライアンフのスピードツインが一台ありました。 “KAL14”とナンバープレートに記された小豆色のトライアンフ。以前よりお世話になっている、ロンドン在住のLeather Girl Hirokoさんのトライアンフです。 久しぶりの再会にメンバーは大喜び! この日の為にJohnny Pandoraを応援に来てくれた初対面のお客さんも、ひっきりなしに声をかけてくださいました。

 

 

会場となるカフェ店内では、ACE CAFEの専属DJ、Jimmy Guntrip氏が、爆音でロカビリーとブリティッシュロックンロールをターンテーブルで回し続け、フロアは男女ペアで踊るジャイブ(ダンス)で埋め尽くされています。 次々にペアを交代してひたすらダンス、ダンス! 楽しそうに見えますが、踊り手側の意見を言うと、繰り返しペアを交代して踊るのはとてもハードです。歴戦の戦士のごとく、誰もがタフに見えます。

そのような中で、あっというまにリハーサルの時間となりました。勿論、リハーサル専用のスタジオ環境などACE CAFEにはありません。カフェ内に設けられた特設ステージで、そのままリハーサル開始。あんなに盛り上がっていた会場のBGMが消えて、シーンと静まり返りました。

リハーサルで一曲、1964年リリースのブリティッシュロックンロール、Mickie Mostの『That’s all right』を奏でると、歓声と拍手。でも、皆さんこれはリハーサルですよ。もう少しお待ちくださいな。

 

4. Johnny Pandoraライブ開始!

リハーサルの終了とともに直ぐに我等はステージ衣装に着替えた。 ACE CAFEの黒いTシャツを身につけ、今回のワールドツアーから使用を開始した、揃えのオリジナルレザージャケットを羽織る! 控え室から階段をダッシュで駆け降り、ステージに立ち準備完了。 オープニングSEが鳴り響きます。MarkさんからJohnny Pandoraについての紹介、そしていよいよライブが開始しました。 行くぞ!サムライロックンロール、日本にも届け!

 

 

一曲目の『Johnny Always Feels so Bad』から心のアクセルをグッとひねって全開走行! 飛ばせ飛ばせ! 今日もACE CAFEに沢山集まったバイカーの中でも、ホンダ乗りの皆さんへ『My Sweet HONDA』をお送りし、その後『La Bamba』を演奏。杖をついたおじいちゃんがノリノリで喜んでいたらしく、ライブ後、本人にお話を伺ったところ、実はACE CAFEにずっと通っているレギュラーRockerであることを教えてくれた。 見た目だけで判断すると70歳以上に見えるため、1960年代から通っていたのではないかと思うものの、その詳細は不明。 ただ、レギュラーロッカーが我々のロックンロールで踊ってくれたことを、とても嬉しく思いました。『わがままキャロル』の演奏では、前回のACE CAFE公演で遊びにきて以来パンドラのファンとなったお客さんが、「この曲がお気に入りだよ!」と教えてくれた。 感謝!

 

当バンドのSenが歌うのは、1959年にJohnny Kidd & The Piratesがリリースした『Please don’t Touch』。 世界中のロックミュージシャンに、ジャンルに縛られずカバーされているロックンロール。 これも盛り上がった。Rockersが集うカフェのJuke box にほぼ間違いなく入っていた、ブリティッシュロックンロールの名曲中の名曲。 勿論、ACE CAFEのJuke boxにも入っています。『Rock Me Baby』は、曲の途中で始まるパンドラ名物、Johnny のツイストが炸裂! 日本独自のツイストで右に左に踊るJohnny。どう? これが日本のツイストだぜ!

 

拍手喝采の中、Johnny PandoraのACE CAFE LONDON公演が終わりました。 その後、DJ Jimmy Guntrip氏のチョイスするロッキンサウンドがフロアで鳴り響き、ジャイブを踊るペアで再び溢れました。

 

5. ライブを終えて

長年、ACE CAFEでライブをするのが夢でした。蓋を開ければ、約1時間程の公演はあっという間! 実際、カフェとして作られているため、音出しという面からは必ずしも良い環境とは言えないところがありますが、個人としては国内、海外の有名なライブハウスよりも1番にライブを行いたいカフェでした。 思い返せば高校生の頃、何も情報がない中、Rockersについて特集された雑誌を読み、絶対にイギリスへ行くぞと思っていました。その後、イギリスへ旅行に行き、ACE CAFEと”Rockers”にゆかりがある地を巡り、特に9月にブライトンで開催された『Ace Cafe Reunion』にて、ライブ用特設ステージとその周りを数えきれないほどのバイクが埋め尽くす光景を見て、いつかAce Cafeでライブをやることを目標に掲げました。 それが今回、30歳の節目で実現することができました。またACE CAFEでライブを行いたいと強く思います。特にAce Cafe Reunionでは、ロンドンとブライトンの両方にステージが設けられているため、両日の出演や、メンバーでブライトンまでバイクで走るのが次の目標です。

ACE CAFE LONDONの皆さん、お客として遊びに来てくれた皆さん、ありがとうございます。
今後ともJohnny Pandoraの活動にご期待下さい。

 

●おまけ:個人的なACE CAFEの見どころ

ACE CAFEのトイレは二階にあり、必ず階段を上る必要がありますが、その途中に一箇所だけ、オリジナルのレンガ壁が残されています。

現在のACE CAFEは全て白塗りに施されていますが、過去の映像や写真を見るとレンガ壁です。
一見ただのレンガ壁として見落としてしまいますが、Rockersファンとしては歴史的価値がある大事なレンガ壁。 ACE CAFEにお越しの際はお見逃しなく!


▲お恥ずかしいながら私です。
このように階段途中にオリジナルレンガが残されています。
お立ち寄りの際は、ぜひここで撮影を! 目つきが悪いのをお許しください…。

【Report】
JOHNNY PANDORA
Ryouhey(遼平)

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